施工写真

可塑剤(DEHP)の安全性

ビニル系床材を含む塩ビ製品の主な可塑剤(製品に柔軟性を付与するために加えられる物質)としては、DEHP(フタル酸ジ-2-エチルヘキシル)が使用されています。ここでは、現在知られているDEHPの安全性について説明します。

●DEHPと環境ホルモン
DEHPに、環境ホルモン作用はありません
1998年、環境庁(現環境省)が発表した「環境ホルモン戦略計画SPEED' 98」の中で、環境ホルモン物質の疑いのある65の化学物質がリストアップされました。この中にDEHPも入っており、報道機関はこのニュースを大きく取り上げ、「塩ビ製品には環境ホルモン物質が使われているから危険だ」と短絡的に説明されました。これが人々に塩ビと環境ホルモンの関係を印象づける結果になりました。
しかし、塩ビ製品と環境ホルモンを結び付ける報道は、実は誤解に基づくものでした。環境庁にリストアップされた65の化学物質は、環境ホルモン作用の有無、強弱、メカニズムが明らかになっていたものではなく、「優先して調査研究を進めていく必要性の高い物質群」という位置づけでしかなかったのです。
環境庁は1998年発表の誤解を解くため、2000年11月の改訂版で説明を改めました。そして、2000年度から順次、評価選定物質を決めて有害性評価を行っています。
2002年と2003年には、環境省は調査研究の結果として、「DEHPは、ヒトに対してもメダカなどの生態系に対しても、環境ホルモン作用はない」と発表しています。

資料 : 環境省 02.6.14及び03.6.12報道発表資料より

●DEHPの発がん性
DEHPの発ガン性は、水道水並みと評価されています
DEHPの発がん性については、多くの研究からお茶や水道水並みに安全であることが、国際がん研究機関(IARC)によって認められています。

国際がん研究機関(IARC)による発がん性評価の分類(2004年)

グループ/評価 物質
2 ヒトに対して発がん性がある アスベスト、喫煙の煙、アルコール性飲料、他
2A ヒトに対して、おそらく発がん性がある ディーゼルエンジンの排ガス、ベンゾピレン、他
2B ヒトに対して、発がん性がある可能性がある コーヒー、酢漬けの野菜、サッカリン、ガソリン、他
3 ヒトに対する発がん性について分類できない DEHP、お茶、水道水(塩素処理した飲料水)、塩ビ樹脂、他
4 ヒトに対して、おそらく発がん性がない カプロラクタム(1種類のみ)
●塩ビ製品のDEHP長期室内濃度測定結果
塩ビ製品から放散されるDEHPの室内濃度は
厚生労働省指針値をはるかに下回っています
塩化ビニル環境対策協議会、ダイア分析センター及び日本ビニル工業会において壁紙、ビニル系床材から出るDEHPを含む準揮発性有機化合物(SVOC)の室内濃度変化を知るため、モデルハウスを使用し、施工直後から1年間に渡り経過観察を行いました。
 その結果、DEHPの濃度範囲は1.4μg/m3~0.4μg/m3と、施工直後から1年間で大きな変動はなく、厚生労働省室内濃度指針値(120μg/m3)を2桁近く下回っていることが確認できました。(図1参照)
なお、東京都や環境省の実態調査でも、下記のとおり室内濃度指針値をはるかに下回っていることが報告されています。

東京都 … 0.05~0.6μg/m3
環境省 … 0.02~3.4μg/m3

資料提供: 2005年度日本建築学会発表梗概集
(塩化ビニル環境対策協議会 SK委員会)

図1 壁紙、ビニル系床材施工後のDEHP長期室内濃度変化
図1 壁紙、ビニル系床材施工後のDEHP長期室内濃度変化

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